どうもこんばんは。
シレっと超久しぶりに更新です。
はい、こちらフェラーリ・カリフォルニアです。
ルーフの開閉が途中で止まってしまうとのことで入庫。
以前別のカリフォルニアで油圧ホースの破損による修理は一度行いましたが、
今回はもっともっと複雑で、何が何だかよく分からない状態です。
ちなみに、インフォメーションディスプレイに出ているエラーは今回の事象とは関係ありません。
とりあえず色々調べていくと、まず油圧がきちんと発生できていない状況が確認できたので、
トランク左側にあるポンプユニットをオーバーホールに出すことにしました。
はい、このようにたくさんのホースから油圧を各シリンダーに送って、
複雑な屋根の動きを制御しているわけであります。
外しました。
これを海外のオーバーホール専門工場に送って、
ポンプとバルブブロックを全てオーバーホールしてもらいます。
ここの部品の不具合の多くは内部での油圧漏れです。
オーバーホール工場で全て分解し、内部のパッキン類を全交換・再調整いたします。
ちなみに新品純正部品だと海外から直に入れても90万円以上します。
国内ディーラーからだと100万は軽く超えると思います。
今回は半値以下で済ませました。
で、こちらの部品を交換してとりあえず油圧はかかるようになったのですが、
どうも動作の途中で引っかかってしまって上手く動かない・・・
最初はだましだましなんとか動いていたのですが、
いよいよ完全にダメになってしまったとのことで再入庫。
色々見てみると、油圧シリンダーの力を各部アクチュエーターに送るパーツが破損しておりました。
当初ここだけ単体での部品が見つからなかったので、
屋根すべてASSY交換かと途方にくれていたのですが、
後期型のカリフォルニアTのほうのパーツリストを見ていたところ、
ここのパーツ単体で設定があることがわかり、左右1セットを発注しました。
ちなみにこちらは部品を探す過程で見つけた中古部品。
やはり同様の箇所が割れており、カリフォルニアの持病のようですね。
で、やっとこさ届きました、フェラーリ純正部品。
高いのは高いですが、クッソ高い!!というほどは高くない、絶妙な価格設定でした。
部品の複雑さからすると、まぁこんなもんかな、という感じです。
先日修理したインフィニティの部品のほうがもっと割高な印象でしたね。
で、新しく届いた部品を早速見てみると、、、
新品なのに既にひびが入っています。
何ということでしょう、これがフェラーリクオリティなのか。
しかも左右とも同様に。
まぁ、ルーフ部分についてはフェラーリ自身が作っているわけではなく、
ドイツのベバスト社なんですけどね。
ベバスト社はNDロードスターRFの屋根部分なんかも担当している大手メーカーです。
MINIのコンバーチブルもそうですね。
あれもプラ部品が脆くて結構壊れるんですよ。
で、一応部品屋さんに確認しましたところ、
まぁ元々そんなもんなのでとりあえず使ってみてーとのことなので、
とりあえずそのまま使ってみます。
ダメならフェラーリ本社に掛け合ってくれるというので。
フェラーリ本社も、そんなもんだよーって言いそうですが。
ちなみにいつもフェラーリの部品を頼むのはイギリスの部品屋さんなのですが、
対応がめっちゃくちゃ早いです。
最短で二日後に届いたこともあります。
イギリスからどうやって二日で届くのか、恐ろしいスピードです。
しかも商売っ気が凄まじく、
今回の部品の在庫を確認したときも、
どう?買う?買わないの?もう君のために部品確保して待ってるよ??
というメールが24時間以内に3通送られてきました。
しまいにはLINEも登録しない?すぐに返事ができるよ!と誘ってきたり。
イギリス人ってLINE使うんですかね?
まぁ少々しつこいところはありますが、とても頼りになる存在です。
はい、話がそれましたが、この部品はですね、
これどうやって外すの?というような、かなり入り組んだ場所にくっ付いています。
悩みに悩んでなんとか発見した作業ポジションがこちらの写真です。
ビニル紐と突っ張り棒を駆使してポジションを固定してあります。
まずですね、動作不良で動かなくなってしまったルーフを、
ここまで手動で持ってくることがそもそも非常に困難です。
整備書もSSTもなんにもありませんし、
ディーラーさんに聞いても教えてくれません。
はい、これは該当部品を外したところですね。
シリンダーが見えておりますが、このシリンダーの単純な前後運動を、
1リアガラス部分を持ち上げる
2フロントロックの爪を動かす
3リアロックの爪を動かす
という三つの動きに変換しているのが今回ぶっ壊れた部品なわけです。
よく考えるものです、本当に感心してしまいますね。
はい、上が外した部品で、下が新品です。
あちこちぶっ壊れていましたが、ここが一番の要因です。
完全にぶっ壊れて部品が分離してしまい、
全く動力が伝えられない状態になっておりました。
こちらの部品を左右とも新品交換したところ、
無事屋根が動くようになりました。
原因の推測としては、
1油圧バルブブロックが壊れて左右の同調が狂う
2骨組の動きにねじれが生じで部品が壊れる
という感じだと思います。
このように、電動ルーフの修理はですね、
一切の情報がない中であっちこっち点検しながら原因を探っていくことになりますので、
実際の作業時間よりも、考えている時間のほうがはるかに長いです。
考えている間はなにも作業が進みませんし、
解決しない限りはお金も生み出さないので、正直非常にストレスフルです。
ですので、比較的時間に余裕があって、かつ気が向いたときに作業する感じになります。
というわけで、ディーラーさんにも断られてもうどうしようもない、
時間がかかっても構わないのでどうにか直してくれまいか、とスタンスでご依頼いただけると助かります。
生意気言ってすみませんが、ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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