アルファロメオ-スパイダーの幌交換事例と注意点

こんにちは。

今回はアルファロメオ・スパイダーの御紹介。

元の幌は・・・破れ、剥がれ、穴あき、割れと、まるで劣化原因の見本市状態。

元はクロス生地のはずなのですが、私が見てもなんだかよく分からない状態。

なぜかトップとサイドでも劣化状況が違います。

使っている生地が違うのかなぁ。

内部は、昼間なのに満天の星空!

生地が劣化しまくった結果、光が透けて見えているのですね。

本来は1mm程度の厚さがあるはずの生地ですが、ハンカチのようにペラペラになっていました。

幌はこんな状態ですが、オーナーさんは基本的にいつもオープン走行なので問題なし!

念願だったガレージ付きのマイホームを建てて、保管中もオープン状態だそうです。

Bピラー後ろは裏地が加水分解?

なんだかよく分かりませんが粉になって堆積していました。

このように、人工物の塊である自動車であっても、

いずれ鉄は錆び、布も風化して土に還っていくわけですね。

で、突然出来上がり!

なんとか一日仕事で間に合いました。

非常に特徴的なシルエット。

ものすごく巨大なリアスクリーン、視界は良好。

透明度さえきちんと保たれていれば、ビニルスクリーンもなかなかいいものです。

さっとひと拭きで透明度が復活するような画期的なケミカルがあればいいのですが。

こちらのオーナーさん、

ガレージ付きの自宅が完成したら幌も交換しよう!と計画されていたのですが、

自宅の完成と時を同じくして、依頼予定だった幌屋さんが亡くなってしまったのだそうです。

きっと昔ながらの腕のいい職人さんだったのでしょう、どなたか存じませんが残念です。

縫製から出来るような腕のいい幌職人さんは全体的に高齢化が進んでいるように思います。

今は私どもが扱っておりますような完成品の輸入幌も多く出回っておりますし、

若い職人さんが縫製から携わるような機会は今後ますます減っていくのではないでしょうか。

全ての車両が既製品の幌で対応できるわけではありませんので、

全国に何名かでも腕のいい若い職人さんが残ってくれればいいなと思います。

私なんぞは既製品の取り付けに特化しておりますので、

そういう技術では足元にも及ばない、というかそもそも別次元の存在です。

もっとも、自動車修理にしても通常は既製品の部品を交換しておしまいです。

自分で金属ブロックから部品を削りだして・・・・なんて修理屋さんはそうそういません。

ただ、お客さんの負担を考えずアッセンブリーで部品交換しておしまい、という人もいれば、

部品を分解して故障の原因を追究し、必要最小限の部品交換でなんとかしようという人もいます。

私としては、自分で部品は作れないにしても、

後者のように極力無駄のない修理が出来るような存在になりたいと思っております。

宮大工のようにはなれないけど、融通の効く街の大工さん、みたいな感じですかね。

住宅なんて今時はみんなプレカットですし、建具も設備もほとんど既製品。

それでも当然ながら仕事の良し悪しはあるわけです。

というわけで、今後ともよろしくお願いいたします。

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